パーキンソン病専門の訪問マッサージ 田中治療院

療養費の支給要件Medical expenses provision requirements

療養費の支給要件

保険者は、療養の給付若しくは入院時食事療養費、入院時生活療養費若しくは保険外併用療養費の支給(以下「療養の給付等」という)を行うことが困難であると認めるとき、又は被保険者が保険医療機関等以外の病院、診療所、薬局その他の者から診療、薬剤の支給若しくは手当を受けた場合において、保険者がやむを得ないものと認めるときは、療養の給付等に代えて、療養費を支給することができる(第87 条1 項)。

「療養の給付等を行うことが困難であると認めるとき」とは、具体的には以下のような場合である。

  1. 事業主が資格取得届の手続き中あるいは手続きを怠ったためで被保険者証が未交付により、保険診療が受けられなかったとき(昭和3 年4 月30 日保理1089号)
  2. 感染症予防法により、隔離収容された場合で薬価を徴収されたとき療養のため、医師の指示により義手・義足・義眼・コルセットを装着したとき(昭和24 年4 月13 日保険発167 号等)
  3. 生血液の輸血を受けたとき(昭和14 年5 月13 日社医発336 号)保存血の輸血は療養の給付に該当する。
  4. 移送時においてその付添人によって行われる医学的管理等について、患者がその費用を実費負担した場合(移送費とは別に療養費が支給される。平成6 年9月9 日保険発119 号・庁保険発9 号)
  5. 柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師から施術を受けたとき柔道整復師の施術は、急性などの外傷性の打撲・捻挫・および挫傷・骨折・脱臼の場合に限る(昭和18 年1 月30 日保発796 号)。
    現に医師が診療中の骨折・脱臼については、応急措置の場合を除き、患者が医師の同意を口頭または書面にて得ることが必要である(昭和24 年6 月医収発662 号)。
    同意は患者または柔道整復師が得ればよく、医師の同意は書面でなく口頭でもよい。この場合、申請書やカルテに同意を得た旨を記載しておく(同意年月日、同意した医師の氏名)。なお、保険医療機関に入院中の患者の場合は、医師から依頼された柔道整復師の施術を受けたとしても療養費の対象とはならない(平成9 年4 月17 日保険発57 号)。
  6. はり師、きゅう師の施術は、神経痛・リウマチ・五十肩・頸腕症候群・腰痛症・頚椎捻挫後遺症の適応6 疾患の場合、医師による適当な治療手段がなくはり・きゅうの施術を受けることを認める医師の同意を必要とする(昭和25 年1月19 日保発4 号)。
  7. あん摩マッサージ指圧師の施術は、筋麻痺・関節拘縮等の症状が認められ、その制限されている関節の可動域の拡大と筋力増強を促し、症状の改善を目的として、あん摩マッサージの施術が必要と医師が同意している場合に限る。あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の施術による往療料は、治療上真に必要があると認められる場合に限る。片道16 キロメートルを超える場合の往療料は往療を必要とする絶対的な理由がある場合以外は認められない。
  8. 海外の病院等で診療を受けた場合(海外療養費)。日本で保険適用となる診療のみが対象。
  9. 「やむを得ないものと認めるとき」とは、被保険者の症状からみて直ちに診療等を受けなければならない緊迫した事態が生じており、かつ保険医療機関を選定する時間的余裕がなかった場合等において、保険者がやむを得ないものと認めた場合である(昭和24 年6 月6 日保文発1017 号)。
  10. 例えば旅行中、すぐに手当を受けなければならない急病やけがとなったが、近くに保険医療機関がなかったので、やむを得ず保険医療機関となっていない病院で自費診察をしたとき、僻地で近くに保険医療機関がないとき、などがこれにあたる(昭和24 年6 月6 日保文発1017 号)。この場合、やむを得ない理由が認められなければ、療養費は支給されない。例えば、緊急疾病で他に適当な保険医療機関等があるにもかかわらず、好んで保険医療機関等以外の病院等において診療又は手当を受けた場合や、単に保険診療が不評との理由によって保険診療を回避した場合は、療養費は支給しない(昭和24 年6 月6 日保文発1017号)。